著者
磯部 隆史 堤 聡 瀬戸 康一郎 青島 健次 苅谷 和俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.448, pp.549-554, 2010-02-25
参考文献数
6

TLS/SSL暗号通信の全機能をFPGA・ASICにワンチップ化して搭載するアーキテクチャを開発し、省電力(23W)な10Gbps TLS/SSLアクセラレータを65nm FPGAを用いて実現した。FPGA・ASICを用いることで、並列化・パイプライン化・演算単位最適化による演算効率向上が可能となり、省電力化が実現される。ワンチップ化することで、機能ブロック間の接続にスイッチを用いることが可能となり、データ交換時の輻輳が無くなり、高スループット化が実現される。本研究では、回路量を削減してワンチップ化を容易にするために、送受信回路の一部共通化、複数データで1回路を共有する並列演算、等の演算方式の高効率化を行った。加えて、スイッチの配線量を削減して動作周波数を向上させるために、スイッチの入出力を共通化することでスイッチを小型化した。これらにより、TLS/SSL暗号通信の全機能の回路量を、本開発で使用した65nm FPGA1つ分に抑え、10Gbpsスループットの実現に必要な166MHz動作(64ビット幅パイプライン処理時)を得た。試作ボードを用いた実験評価では、23Wの消費電力による10Gbpsの暗号化スループットを達成した。