著者
神藤 学 乾 伸雄 小谷 善行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.91-92, 1996-03-06

人は立体迷路を解いたり人に道を教えたりするときに「認知地図」[1]という知識を利用する。これは今スタート地点からどちらの方向に進んでいるか、どれくらいの距離にいるか、以前に通ったことのある道か、などのまとまった知識の総称である。本稿では人の認知地図を生成する過程でも特に重要視されると思われる「方向感覚」と「距離感覚」に着目し、様々な環境で実験を行うことによってこれらの感覚がどのように認知地図生成に影響を与えているかを調べることを目的としている。また、実験の環境には自然に基づいた仮想空間を使用した。自然迷路とはプリミティブがランダムに配置された、たとえば自然の洞窟のような迷路を指すもので、従来の迷路に比べれば比較的現実空間に近い仮想空間を作り出すことができ、現実空間での人の認知モデルをより深く追求する手がかりになると考えられる。