著者
神谷 和孝
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.11-15, 2020 (Released:2020-07-08)
参考文献数
14

白内障眼による視機能を正確に把握するうえで, 前方散乱の計測は重要である. とくに他覚的計測は再現性に優れ るが, 多数例における詳細な検討は少ない. 今回, 白内障眼の前方散乱の関連因子と白内障手術前後における変化を明 らかにすべく, 白内障手術前患者192例192眼 (年齢71.3±9.2歳) を対象とし, 他覚前方散乱 (objective scattering index:OSI) と年齢, 性別, 裸眼・矯正視力, 自覚屈折度数, 核硬化度, 自覚前方散乱 (log (s)), 眼球高次収差との 相関および術前後の変化を検討した. その結果, OSIと有意な相関を認めた因子は, 矯正視力 (logMAR) (標準偏回帰 係数B=5.917, p<0.0001) およびlog (s) (B=0.911, p=0.0006) であり, 眼球収差を含むほかの因子とは有意な相関 を認めなかった (決定係数R2=0.333). 白内障手術によりOSIは有意に低下した (p<0.001). 白内障眼における他覚 前方散乱は, 矯正視力および自覚的前方散乱と有意に相関し, 高次収差との関連は低く, 白内障手術により有意に改善 しうることが示唆された.