著者
初坂 奈津子 宮下 久範 久保 江理 喜多村 紘子 大久保 利晃 佐々木 洋
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.49-51, 2020 (Released:2020-07-08)
参考文献数
5

当教室では東京電力福島第一原子力発電所の緊急作業従事者約2万人に対する白内障調査を行っている. 昨年度より開始した全国調査では, まず対象者を被ばく線量20mSv以上となる3,673名とし, 2018年4月~2020年3月までに479名の検診が終了した. 現在までの結果は, 微小混濁であるvacuoles が比較的多くの対象者に認められている. 今後, この微小混濁が放射線白内障の一つである後囊下白内障に進行するかについては, 引き続き長期的な調査の継続が必要である.

10 0 0 0 OA 白内障と認知症

著者
石井 晃太郎
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.36-38, 2015 (Released:2015-07-10)
参考文献数
5
著者
綾木 雅彦
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.27-30, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
27

白内障手術による運動機能と睡眠の改善効果について検討したので報告する.倫理委員会の承認のもと, 対象は研究の同意を得た白内障患者226名と視覚障害模擬患者11名である.方法は4メートルの歩行速度と睡眠の質(PSQI値=ピッツバーグ睡眠質問票)と生活の質(VFQ-25)を術前と術後2カ月, 7カ月に測定した.その結果, すべての指標が有意に増加し, 白内障手術により睡眠と歩行の質が改善することが示された.さらに, 視覚障害模擬患者による実験から, 視覚障害と歩行速度が相関することが示された.白内障は高齢者には必発の病気であり, 白内障の予防, 診断, 治療の進歩は高齢者の健康長寿に寄与すると考える.
著者
初坂 奈津子
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.40-44, 2017 (Released:2017-07-03)
参考文献数
15
被引用文献数
1
著者
綾木 雅彦
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.47-49, 2015 (Released:2015-07-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1
著者
武田 峻 山本 直樹 長井 紀章 出口 粧央里 平松 範子 初坂 奈津子 永田 万由美 松島 博之 久保 江理 佐々木 洋
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.76-82, 2022 (Released:2022-07-19)
参考文献数
32

核白内障(nuclear cataract: NUC)の発症要因として,高温環境による影響が報告されている.今回,体温に着目し,水晶体再建術施行例を対象とし,体温とヒト水晶体上皮細胞(human lens epithelial cells: HLECs)中ミトコンドリア活性およびATP含量の関係,体温とNUC発症リスクの関連について検討した.NUC患者では体温36.5℃以下患者(L群)に比べ36.5℃超過の患者(H群)でHLECs中のミトコンドリアゲノムチトクロムcオキシダーゼmRNA発現量は増加傾向を示した.また,H群におけるATP量はNUC患者が透明水晶体患者に比較し高く,NUC患者ではL群より有意に高値を示した.一方,ロジスティック回帰分析によるL群に対するH群のNUC発症リスクのオッズ比は1.131(95% 信頼区間: 0.583-2.193)であり,有意な関連性は認められなかった.
著者
神谷 和孝
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.11-15, 2020 (Released:2020-07-08)
参考文献数
14

白内障眼による視機能を正確に把握するうえで, 前方散乱の計測は重要である. とくに他覚的計測は再現性に優れ るが, 多数例における詳細な検討は少ない. 今回, 白内障眼の前方散乱の関連因子と白内障手術前後における変化を明 らかにすべく, 白内障手術前患者192例192眼 (年齢71.3±9.2歳) を対象とし, 他覚前方散乱 (objective scattering index:OSI) と年齢, 性別, 裸眼・矯正視力, 自覚屈折度数, 核硬化度, 自覚前方散乱 (log (s)), 眼球高次収差との 相関および術前後の変化を検討した. その結果, OSIと有意な相関を認めた因子は, 矯正視力 (logMAR) (標準偏回帰 係数B=5.917, p<0.0001) およびlog (s) (B=0.911, p=0.0006) であり, 眼球収差を含むほかの因子とは有意な相関 を認めなかった (決定係数R2=0.333). 白内障手術によりOSIは有意に低下した (p<0.001). 白内障眼における他覚 前方散乱は, 矯正視力および自覚的前方散乱と有意に相関し, 高次収差との関連は低く, 白内障手術により有意に改善 しうることが示唆された.
著者
林 麗如
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.13-21, 2018 (Released:2018-07-05)
参考文献数
23

ルテイン (lutein, 以下, Lu) の抗酸化作用は加齢黄斑変性の予防に有効とされているが, 白内障の抑制についての効果は明確ではない. 従来の研究では異なる個体間で比較し, 遺伝, 生活習慣などの交絡因子や日々摂取量の変動について考慮されていなかった. 筆者らはこれらの影響を最小限にするため, 摂取量が一定のサプリメントを用いて, 同一人の内服前後で比較した. 両眼同程度の白内障で手術を受ける患者を対象として, 片眼の白内障手術を行い, Lu含有サプリメントを6週間内服したあと, 僚眼の白内障手術を行った. サプリメント内服前後の白内障手術時において, 血清, 房水および水晶体上皮細胞が付着している前囊を採取した. 結果として, サプリメント内服後に房水中のスーパーオキシド消去能が上昇し, 過酸化物質総量が低下した. 前囊におけるペントースリン酸回路の律速酵素であるglucose-6-phosphate dehydorgenaseの発現および蛋白質生成に関連する 18S rRNAが上昇し, 過酸化水素の透過チャンネルである aquaporin 8の発現が低下した. Lu含有抗酸化サプリメントは, 水晶体の過酸化を抑制し, 白内障の発症および進行を予防する可能性が示唆された.
著者
山本 直樹
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.20-23, 2019 (Released:2019-07-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 実験動物入門

著者
向井 公一郎
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.73-76, 2018 (Released:2018-07-05)
参考文献数
5
著者
長井 紀章
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.65-67, 2018 (Released:2018-07-05)
参考文献数
6

1 0 0 0 OA 臨床研究入門

著者
木澤 純也
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.83-85, 2018 (Released:2018-07-05)
参考文献数
3

1 0 0 0 OA 核白内障

著者
川守田 拓志
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.38-40, 2014 (Released:2014-11-14)
参考文献数
4
著者
市川 翔 小島 隆司 片岡 嵩博 中村 友昭 玉置 明野 市川 一夫
出版者
日本白内障学会
雑誌
日本白内障学会誌 (ISSN:09154302)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.93-96, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
11

目的:Implantable collamer lens(ICL)挿入術を施行した患者の術後経過を調査して,術後白内障の病型を集計した.方法:ICL挿入術後に水晶体再建術を施行した患者の白内障病型を後方視的に集計した.結果:前囊下白内障,核白内障,皮質白内障,後囊下白内障がそれぞれ16眼(72.7%),4眼(18.2%),1眼(4.6%),0眼(0%)であった.また,後囊下白内障と前囊下白内障の合併を1眼(4.6%)で認めた.ICLは全例中心貫通孔なしのモデルであった.考察:ICL挿入後に発生した白内障の病型は,前囊下白内障が多かった.発生機序としては水晶体前面における房水供給の変化による水晶体上皮細胞への栄養障害が疑われた.このことから,中心貫通孔ありのICLを使用することでICL挿入後の白内障を予防できる可能性が示唆された.