著者
藤田 実沙 木村 貴幸 神野 健哉
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:21888566)
巻号頁・発行日
vol.2016-AL-158, no.20, pp.1-6, 2016-06-17

ノード V,エッジ E,エッジのコスト関数 c からなる無向グラフ G = (V,E,c) とターミナル T ∈ V が与えられたとき,T の全てを連結する閉路のない部分グラフをシュタイナー木と呼ぶ.特に,入力されたグラフに対する最小コストのシュタイナー木を求める問題をシュタイナー木問題と呼ぶ.シュタイナー木問題は NP 完全な組合せ最適化問題であるため,近似解を求めるのが一般的である.本研究では,シュタイナー木問題に対してネットワーク中心性を考慮した解構築手法を提案する.ネットワーク中心性のうち媒介中心性は,ネットワーク中の全最短経路に多く使用されるノードやエッジを中心とするネットワーク評価指標である.媒介中心性が高いノードやエッジをシュタイナー木に含むことにより,コストの小さいシュタイナー木を得ることができると考えられる.本稿では,媒介中心性を考慮したシュタイナー木構築手法の性能を,ベンチマーク問題を用いて評価する.数値実験の結果から,媒介中心性を考慮することにより,従来法と比較してコストの小さいシュタイナー木を得られることを確認した.
著者
小平 あゆみ 神野 健哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.478, pp.5-8, 2008-01-25

本研究では変形テントマップによるカオスを用いた自動作曲システムについて述べる。我々の目標はできるだけユーザーの好みに応えられる自動作曲システムを構築することである。この目標を達成するために、我々は「カオスを用いた自動作曲システム」を提案する。本システムは、マルコフ連鎖を利用し音楽の3要素であるメロディ・リズムを生成し、最後にメロディに合った和音を生成する。本研究では、状態遷移確率を変形テントマップによるカオスを用いる。和音は生成されたメロディに合うものを3コードから選択する。本自動作曲システムは既存の曲に依存せずユーザーの好みに合った曲が生成できるシステムの構築を試みた。
著者
神野 健哉 田中 衛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題
巻号頁・発行日
vol.97, no.53, pp.89-96, 1997-05-23

全ての素子のパラメータが一様で相互に結合した簡素なヒステリシスネット(Simple Hysteresis Network 以下SHNと略す)が呈するハイパーカオスについて報告する。SHNは相互結合、自己結合、直流分の3個のみをパラメータとして有する。単体のヒステリシス素子はパラメータにより無安定、単安定、双安定の状態を有し安定平衡点アトラクタ、周期アトラクタが存在するが、単体ではカオス等の非周期アトラクタは存在しない。しかしながらこのような素子を複数個を一様に結合させた系において非周期アトラクタを呈することを我々はこれまでに発見し報告した。本報告では SHNがハイパーカオスを呈することを示し、同期現象との関係に関して考察を行う。