著者
松川 正樹 福井 真木子 小河 佑太力 田子 豪 小荒井 千人 林 慶一
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.120, no.6, pp.201-217, 2014-06-15 (Released:2014-11-12)
参考文献数
34
被引用文献数
2 4

岐阜-富山県県境に分布する神通層群は,9つの岩相に区分され,それらの複数の組み合わせから,岩相群として5つにまとめられ,さらにそれらの特徴や分布に基づき堆積環境が考察された.庵谷峠層は堆積盆地の周縁部に発達した扇状地の,猪谷層は河川流路と氾濫原の,白岩川層は氾濫原の堆積物と解釈される.神通層群の上方細粒化と周辺から中央への側方細粒化は堆積盆地の沈降速度の増加に基づくものと推定される.神通層群各層の分布様式から堆積盆地の中心は南の有峰地区から北の常願寺川地区に移動したことが示される.これは,オーテリビアン期のアジア大陸の東縁におけるジュラ紀~初期白亜紀の付加体の並列配置と関連した可能性がある.
著者
松川 正樹 福井 真木子 小河 佑太力 田子 豪 小荒井 千人 林 慶一
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.120, no.6, pp.201-217, 2014
被引用文献数
4

岐阜-富山県県境に分布する神通層群は,9つの岩相に区分され,それらの複数の組み合わせから,岩相群として5つにまとめられ,さらにそれらの特徴や分布に基づき堆積環境が考察された.庵谷峠層は堆積盆地の周縁部に発達した扇状地の,猪谷層は河川流路と氾濫原の,白岩川層は氾濫原の堆積物と解釈される.神通層群の上方細粒化と周辺から中央への側方細粒化は堆積盆地の沈降速度の増加に基づくものと推定される.神通層群各層の分布様式から堆積盆地の中心は南の有峰地区から北の常願寺川地区に移動したことが示される.これは,オーテリビアン期のアジア大陸の東縁におけるジュラ紀~初期白亜紀の付加体の並列配置と関連した可能性がある.