著者
福井 祐介
出版者
九州大学大学院人間環境学研究院
雑誌
共生社会学 (ISSN:13462717)
巻号頁・発行日
no.6, pp.73-87, 2008

本論文は、箕面市での調査に基づき、職場トラブルにおける相談ニードの所在を明らかにすることを第一の課題とした。その結果、総合的に見て相談先として選ばれるのは上司、次に家族・親族、友人・知人、同僚、その次に会社相談窓口や社内労組などであった。また、相談ニード・スコアが最も高い職場トラブルは解雇で、その次に高いのは職場いじめ、仕事干し、労働条件切り下げ、適性無視、職場の雰囲気険悪、の順であることもわかった。つぎに第二の課題として、相談ニード間の相関係数をもちい、相談先の選好構造を示した。また課題として、相談先ニードをあまり多く有さないケースを考慮すべきであることなどが指摘された。