著者
武衛 和雄 福原 佳春
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.183-186, 1961

1.大阪府箕面市の農村部落において, 1960年9月21日より10月21日に至る間, Nankorの油剤, 乳剤, 粉剤を用いてハエの成虫・幼虫駆除のフィルド実験を行なつた.2.家屋内に動力煙霧機を用いて0.5%油剤を33m_2あたり200ccを, 牛小舎に10%乳剤の20倍液を1m^2あたり100cc散布することにより, 屋内および牛小舎のハエの棲息密度は著るしく減少し, その効果はおおむね1週間持続した.3.牛小舎だけを対象とした駆除作業を行なうことにより, 屋内のハエの棲息密度は著るしく減少し, そのばあいの効果もおおむね1週間持続した.4.便池におけるニクバエ科の幼虫に対する殺虫効果は, 10%乳剤の400倍液を1m^2あたり2l散布することにより1日後には完全に死滅し, 再発生は散布後11日目にみとめられた.