著者
福嶋 真理恵 古藤 和浩 遠城寺 宗近 中牟田 誠 名和田 新 相島 慎一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1, pp.42-47, 2005 (Released:2005-03-09)
参考文献数
12
被引用文献数
1

症例は45歳,男性.平成10年より慢性硬膜血腫術後のてんかん発作にて,近医経過観察中,高アンモニア血症を指摘され,平成13年5月当科に紹介入院.HCV-RNA陽性だが肝予備能低下なく,門脈大循環へのシャントなく,アミノ酸分析正常であった.薬剤の関与としてバルプロ酸ナトリウムが考えられ,減量中止したところアンモニア値は改善した.基礎病変として肝疾患を持つ症例においても,常に薬剤による高アンモニア血症に考慮して診療にあたるべきと考えられた.