著者
市川 竜太郎 伊藤 絵里子 寺尾 浩 福田 英三
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.8, pp.1527-1532, 2008-07-20 (Released:2014-12-03)

2004年10月から2005年10月までの1年間で消化性潰瘍に対するヘリコバクター・ピロリ(HP)除菌療法中もしくは療法後に多形紅斑型薬疹を呈した症例を5例経験した.5例中4例は3製剤(ランソプラゾール(60mg/日),アモキシシリン(1,500mg/日),クラリスロマイシン(400mg/日)の1日服用分を1シートにまとめた組み合わせ製剤(商品名:ランサップ®)によるものであった.5例中3例(アモキシシリン2例,クラリスロマイシン1例)でDLST陽性,1例(アモキシシリン)でパッチテスト陽性を示した.もう1例はいずれの検査にても陰性であり原因確定は出来なかったが臨床経過よりHP除菌療法による薬疹と診断した.