- 著者
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秋元 真也
- 出版者
- 紙パルプ技術協会
- 雑誌
- 紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.4, pp.350-353, 2016
OPE社は中南米の感熱紙・ノーカーボン紙の製造を牽引するメーカーである。同社は,王子ホールディングス(当時王子製紙)がフィブリア社より事業買収を行う2011年以前より,同情報用紙に関する技術供与を受けており,現在,ブラジル国内において,およそ80%のシェアを占める。設備については,抄紙機を2台,塗工機を3台有しており,1年の生産能力はおよそ120,000tである。近年,中南米諸国における需要増加が予想されることから,増産投資を検討中である。OPE社の感熱紙は,ファックス用紙,レシート用紙,ATM・クレジット用紙,ラベル,チケット,宝くじ券のラインナップがあり,レシート用紙,ATM・クレジット用紙に関しては,品質差を判別しやすいように色分けを行っており,事実上の業界スタンダードとなっている。また,ラベル,チケット及び宝くじ券用途の製品に関しては,保存性を付与するための,保護層のコーティングを行っており,ユーザーの要求に合った製品作りを行っている。OPE社の他事業所との関わりについては,親会社である王子イメージングメディアに属する海外事業所3拠点(OPE社除く)と,日本国内の神崎工場との間で,定期的に交流ミーティングを実施しており,生産技術面・販売面での情報交換を実施し,コストダウンや品質改善に取り組んでいる。先に述べたとおり,王子イメージングメディアは海外4ヶ所に情報用紙の製造・販売拠点を有しており,その中でもOPE社は,中南米地区における重要な拠点である。今後も関連事業所の協力を得ながら,技術力を高め,中南米地域での更なる収益向上を目指していく。