著者
秋吉 久美代
出版者
奈良県立医科大学医学部看護学科
雑誌
奈良県立医科大学医学部看護学科紀要 (ISSN:13493884)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.77-84, 2015-03

アロマテラピーの看護研究は増加しており、関心の深さがうかがえる一方で、看護師は精油を選択することに困難を感じている。この原因のひとつに、アロマテラピーの効果には様々な要因が影響しており統一した見解が得難い現状があると考える。それらの要因のひとつである個人的要因の嗜好と精油成分の作用が、リラックス効果に与える関係について調べた。対象者は、男性12名、女性54名。年齢46.3±10.51歳。対照群と実験群とに分け対照群には精油を付着していない試香紙を実験群には、ラベンダー精油、サイプレス精油、ベルガモット精油のいずれかを付着した試香紙を嗅ぐ群を設定した。それらを嗅ぐ前後に、気分の変化を心理的指標の日本語版POMS™短縮版を用いて調べた。分析はSPSS19.0でKruskal-Wallis検定とWilcoxonの符号付順位検定をおこなった。結果、アロマテラピーのリラックス効果は、個人的要因の嗜好と精油成分が関係していることが示唆された。