著者
秋山 哲雄
出版者
国士舘大学日本史学会
雑誌
国士舘史学 = Kokushikan shigaku
巻号頁・発行日
vol.25, pp.105-123, 2021-03-20
著者
秋山 哲雄 中本 安 三浦 亮
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.871-875, 1984

子宮頚癌により広範性子宮全摘術後,両側性水腎症,腎性尿崩症を呈し,間歇的自己導尿法により改善をみた1症例を経験したので報告する.症例は48才,女性. 43才の時,子宮頚癌(病期I)にて広範性子宮全摘術を受けた. 1982年6月頃から口渇,多飲および1日4~6<i>l</i>におよぶ多尿が出現し,精査のため1982年8月2日当科入院.身体的には皮膚はやや乾燥し,軽度の脱水傾向がみられる以外には異常所見なし.検査では尿糖陰性,尿比重1.004,血清Na 150mEq/<i>l</i>, K 3.4mEq/<i>l</i>, Cl 124mEq/<i>l</i>.耐糖能異常なし.眼底,視野異常なし.水制限試験では尿浸透圧の上昇はみられず高張食塩水負荷(Carter-Robins試験)でも尿量,自由水クリアランスの減少なし.ピトレシン5Uの投与でも尿量,尿浸透圧に変化はみられなかつた.血漿ADH 2.9pg/ml.トルコ鞍X線像異常なし.排泄性腎盂造影では両側性水腎症の所見を呈す. urodynamic studyでは多量の残尿がみられ, areflexic neurogenic bladderで両側IV度のvesicoureteral reflux (VUR)を認めた.以上よりneurogenic bladder, VUR,水腎症,腎性尿崩症と進展したものと診断した.治療は,サイアザイド剤の投与および間歇的自己導尿法を指導し, 1日6~7回の自己導尿を行ない残尿量は減少し,尿量は1日約2<i>l</i>と改善をみている.類似症例は国内外にみられず,その成因と病態についても言及した.