著者
秋山 映一
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.204-216, 1999-04-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
41
被引用文献数
1

側鎖型液晶高分子 (SCLCP) においてスペーサー構造が液晶性およびメソゲン基の運動性に与える効果を調べるために, アルキレンスペーサー (AS), シロキサンスベーサー (SS), オリゴ (エチレンオキシド) スペーサー (EOS), およびEOSとASを組み合わせたセグメント化スペーサー (SegS) を有するポリアクリレートを合成し, それらの相転移挙動および誘電緩和挙動を比較検討した. その結果, SSおよびEOSのようにスペーサー構造の柔軟性を高めることでメソゲン基の運動性をより高めることができるが, この場合液晶性が発現するためには比較的大きなメソゲン基を必要とすることがわかった. さらにメソゲン基の運動性を高めるという点では, 小さなメソゲン基の導入が最も効果的であることもわかった. これらの結果に基づきSegSを考案した. SegSを有するポリアクリレートはそれ以外のSCLCPと比較して極あて低いTgを示し, メソゲン基の運動性も極めて高いことがわかった. また電場配向処理によって容易にメソゲン基を配向させることができた. このように低分子液晶と同様なメソゲン基の高い運動性をもつ側鎖型液晶高分子の開発には, セグメント化スペーサーの導入が効果的であることが示唆された.