著者
秋山 未来 河野 俊貞 塩田 正俊
出版者
山口大学教育学部
雑誌
研究論叢. 第3部, 芸術・体育・教育・心理 (ISSN:02860597)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.141-152, 2009

本研究では、BCAA摂取が長時間の運動中の血中アンモニア濃度に及ぼす影響について、また、アンモニア濃度の上昇が運動中および回復期の疲労にどのようね影響を及ぼすのかについて検討した。結果は以下に示す通りである。1.血中アンモニア濃度は、BCAA摂取条件においてプラセボ摂取条件よりも有意に高い値(p<0.05)を示し、運動前値からの変化率(%)でも運動中60分および90分において有意に高値を示した。2.運動中のRPEは両摂取条件間ともほとんど変化せず一定であった。また、CWTの所要時間および誤答数においても、摂取条件間および時間経過による有意な差は見られなかった。以上のことより、BCAA摂取条件では、長時間の運動中の血中アンモニア濃度が有意に増加することが示唆された。しかし、血中アンモニア濃度の上昇と疲労との関係は明らかにならなかった。