著者
神馬 志保子 秋葉 まり子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.104, pp.21-44, 2010-10-20

本稿は、産業連関表を用いて青森県の「公共事業」と「医療・保健」「介護」の経済波及効果と雇用創出効果をそれぞれ計測し比較することで、前者と比べて後者の方が両効果とも高いことを明らかにした。これにより、労働集約的で、かつ粗付加価値の高い産業である「医療・保健」「介護」が、これまで代表的な短期の景気浮揚策として考えられてきた「公共事業」に代わりうること、それが急激な高齢化、高い失業率、重い社会保障負担という深刻な経済問題に直面している青森県にとっては、好転の方向性、将来の期待を見い出せる可能性を持つものであるという結論を得た。