- 著者
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程 岩松
堀内 孝次
大場 伸哉
- 出版者
- 日本雑草学会
- 雑誌
- 雑草研究 (ISSN:0372798X)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.3, pp.153-160, 2002-09-30 (Released:2009-12-17)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
-
2
植物の他感作用を活用して, イネ科強害草のメヒシバの生育を抑制する目的で, 42種類のハーブの抽出液を用いた発芽実験を行い, さらに発芽抑制効果の大きかった数種ハーブについて, 植物体砕片を土壌に混入し, それをポットに充填してメヒシバを育成し, その生育抑制効果を調査した。その結果, 発芽実験ではバルサムギク, ローマンカミツレ, メボウキ, ミドリハッカ, ラベンダーの蒸留水抽出液とバルサムギク, スイカズラ, メボウキ, アマドコロ (地下茎) のメタノール抽出液が発芽を強く抑制した (第1表)。発芽後初期生育は, スイカズラ, ラベンダー, イチョウ (果皮) の蒸留水抽出液とバルサムギク, スイカズラ, キツネノボタン, ウコン, アマドコロ (地下茎) とイチョウのメタノール抽出液によって顕著に抑制された (第1表)。また, スイカズラとラベンダー砕片を土壌に混入したところ, メヒシバの乾物重と分げつ数は対照区に比べて大きく減少した (第3表)。これらの実験結果は, ハーブ類数種がメヒシバの生育を強く抑制し, 他感作用を有する可能性を示した。