著者
稲垣 純一
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.616-618, 2009-06

今号の口絵で紹介されている安藤養鶏は、山梨県上野原市の市街地より旧甲州街道に沿った芦垣集落に位置している。平成17年に、旧上野原町と旧秋山村が合併して市政化された上野原市は、山梨県の最東端であるが首都圏中心部から約60〜70km圏に位置していることもあって、東京都への通勤者が就業者全体の25.5%、通学でみても全体の27.1%が、東京都へ通学しているため、JR上野原駅は県庁所在地の甲府駅に次いで第2位の利用者数となっている。市内の養鶏農家が1戸のみという環境下で、飼養羽数5,000羽という小規模経営ながらも、市場出荷をせずに全量を直販している安藤養鶏は、平成6年に飼養羽数を1/3へ縮小することによって現在の経営を確立している。近隣に相談できる同業者がいないながらも、この大きな転換に至った経緯とその後の経営展開について記すこととする。