著者
小林 由季 足立 剛也 新川 宏樹 稲積 豊子
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.132, no.1, pp.69-73, 2022-01-20 (Released:2022-01-20)
参考文献数
9

77歳男性.新型コロナウィルスワクチン(コミナティ筋注Ⓡ)2回目接種2日後より紅斑が出現し,全身へ拡大した.接種3週間後の初診時,躯幹四肢に環状で6 cm大までの融合傾向のある浮腫状暗紅色斑が散在し,一部標的様を呈した.経過・検査所見より,コミナティ筋注Ⓡ接種後の多形紅斑と診断した.新型コロナウィルスワクチン接種後の多形紅斑の報告はまだ少なく,今後ワクチンのさらなる普及に伴い,同様の皮疹を呈する例の増加も予想される.陰性対照も含め提出したコミナティ筋注ⓇのDLST結果及び文献的考察を加え報告する.