著者
稲葉 雄二 新美 妙美 石田 修一
出版者
The Japanese Society of Child Neurology
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.267-272, 2010-07-01

軽度発達障害児の支援を目的として, 不適応や行動, 学習面で問題となっている児童の学校での指導・支援について教師から相談を受けるoutreach clinicを実践した. 2年間で13校を訪問し, 36事例について相談した. 医療機関をすでに受診中の児童は44%で, 28%は相談の後に受診した. 20名で広汎性発達障害が疑われた. 教師へのアンケート調査では学習面で気がかりな児童は全体の4.4%, 対人関係や行動面では2.6%であった. さらに, 教職員の研修会で軽度発達障害の理解を促し, 支援体制や連携について意見交換した. 医療と教育の双方向性の連携により, より適切な支援と二次障害の予防につながることが期待される.