著者
穴井 智史 矢吹 信喜 福田 知弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.1-13, 2021 (Released:2021-01-20)
参考文献数
44

画像処理による土木構造物の変状の自動検出手法として,以前は人間による特徴量選択が行われていたが,検出率が高くなかった.現在は適切な特徴量を自動取得可能な深層学習が登場し,従来手法と比べて検出率の向上や複数種類の変状の矩形検出等が報告されている.しかし,複数種類の変状検出では,深層学習モデルによる検出結果が個別に報告されており,異なる深層学習モデルによる検出精度は比較されていない.そこで本研究は,変状5種類(ひび割れ,鉄筋露出,遊離石灰c,遊離石灰d,遊離石灰e)を検出対象として,7種類の深層学習モデル(Faster R-CNN, SSD300, SSD512, RetinaNet-50, RetinaNet-101, RetinaNet-152, YOLOv3)による検出精度を比較した.その結果,YOLOv3の検出精度が最も高いことを確認した.