著者
諸岡 雄也 古野 憲司 菊野 里絵 川向 永記 加野 善平 空閑 典子 鳥尾 倫子 安部 朋子 水野 由美 吉良 龍太郎
出版者
日本神経感染症学会
雑誌
NEUROINFECTION (ISSN:13482718)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.131, 2022 (Released:2022-05-12)
参考文献数
19

【要旨】新生児、早期乳児の無菌性髄膜炎における FilmArrayⓇ髄膜炎・脳炎パネルの有用性を検討した。発熱で受診した生後3 ヵ月未満の 152 例に髄液検査を施行し、細胞数増多 27 例、正常 125 例であった。細胞数増多 27 例中 15 例が無菌性髄膜炎と診断された。10 例は病原体陽性(全例 enterovirus:EV)、5 例は陰性であった。陽性群の抗菌薬投与日数は平均 2.4 日で、陰性群 4.8 日とくらべて有意に短かった(P<0.04)。細胞数正常 125 例中 15 例に本検査を実施し、EV1 例、human parechovirus2 例を検出した。本検査により不要な抗微生物薬を安全に減らせる可能性がある。