- 著者
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窪田 宜之
梁川 良
- 出版者
- Japanese Society of Veterinary Science
- 雑誌
- 日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.4, pp.p663-672, 1987-08
Corynebacterium renale No.115株の有線毛 (P^+) 及び無線毛 (P^-) クローンのマウス腹腔マクロファージ食菌作用に対する感受性を比較した。オプソニン不在の場合には, P^+菌はP^-菌にくらべて食菌され難かった (P<0.001)。20%の濃度に補体を加えると, P^+菌, P^-菌ともに取り込み菌数が増加 (各々, P<0.001, P<0.005) し, P^-菌はP^+菌よりも多く食菌された (P<0.025)。抗線毛血清の存在下では, 補体の存否にかかわらずP^+菌はP^-菌よりも有意に多く食菌された (P<0.01)。抗線毛単クローン性抗体によっても, 補体の存否にかかわらず, P^+菌はオプソナイズされたが, その効果は多クローン性抗体のそれよりも低かった。抗P^+菌血清と補体の存在下では, P^+菌はP^-菌よりも有意に多く食菌された (P<0.05)。抗P^-菌血清の存在下では, 補体の存否にかかわらず, P^+菌の食菌はP^-菌の場合と同程度まで増強された。