- 著者
-
荻原 洋晶
窪田 聖一
森 介計
- 出版者
- 東京昆蟲學會
- 雑誌
- 昆蟲 (ISSN:09155805)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.2, pp.451-457, 1995-06-25
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
-
3
ヒメエグリバを卵期から成虫期(産卵開始時)まで, 長日条件下の16, 19, 22, 25, および28℃恒温で飼育し, 各発育段階ごとの所要経過日数を記録した.その結果, 発育速度はいずれの発育段階でも, 高温になるほど速やかであった.19℃以下の低温下では発育の遅延がみられるばかりでなく, 発育速度の個体変動が大きくなり, また幼虫期の死亡率も高かった.計算された発育零点は12∿13℃とやや高く, 全発育を完了するに必要な有効積算温度は556日度であった.短日条件下で飼育すると, 21および25℃いずれの恒温下でも, 幼虫期後半にいちじるしい発育の遅延がみられた.この遅延は発育速度の低下と経過齢数の増加の結果であり, 休眠状態に入ったためとみなされる.休眠誘導の臨界日長は13∿13.5時間であった.