著者
立田 健太 佐藤 紘昭 大谷 良光
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.102, pp.105-114, 2009-10

青森ねぶた祭への「ハネト若者離れ問題」を焦点とし、若者に当たる高校2年生1140人を対象として祭の観覧・参加状況と祭への意識(思い)を調査した。大型ねぶたの観覧・参加率は2008年59.3%・36.7% で、「ハネト」での参加率は2007年72.8%、2008年64.6% で8.2% 減じており「ハネト若者離れ」の一端が立証された。また、「ねぶた祭は世界に誇れる」や「伝統の継承」には高い意識(約8割)をしめしたが、この数値は参加率とかけ離れており、それを裏付ける「参加しなかった理由」として「特に興味がなく、参加する意義や必要性は感じない」が約4割で、その格差の克服が新たな課題として明確になった。それに対して我々は、学校教育との関わり、社会教育の充実、伝統文化の継承と観光化のバランスの3視点を提起した。
著者
大谷 良光 立田 健太 井上 怜央
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.96, pp.51-60, 2006-09-29

:ねぶた・ねぶたが青森県内の学校教育との関わりを深めつつあると思われる現在、ねぶた・ねぶたへの子どもの関わりの現状と子どもの祭りへの意識を調べる目的で、青森市、弘前市の小学校4年生を対象として調査した。その結果、両市とも観覧率は高く、また運行への参加率は約70%であった。運行では9割以上のこどもが、ねぶたがハネト、ねぶたが曳き手と参加していた。弘前市の方が地域ねぶたへの参加状況が多く、鳴り物での参加率が高かった。ねぶた・ねぶたの製作やお手伝いは、地域祭りが主で、大型ねぶた5%、合同運行16%と小学校4年生ではその関わりは少なく、その内容は紙貼りが主であった。祭りへの意識は高く、子どもなりに誇りと自覚を持ち、将来の職業の夢として25%がねぶた師を抱いていた。