著者
加藤 祥 柏野 和佳子 立花 幸子 丸山 岳彦
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 = NINJAL research papers (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.8, pp.85-108, 2014-11

国立国語研究所 コーパス開発センター プロジェクト研究員国立国語研究所 言語資源研究系国立国語研究所 コーパス開発センター 技術補佐員国立国語研究所 言語資源研究系書籍テキストに見られる「語りかける」という文体の特徴を報告する。調査対象には,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)に収録されている図書館サブコーパスを使用した。コーパスを用いた文体分析を行うにあたっては,語や文脈的な語の結びつきなどの頻度情報のほか,コーパスに付与された書誌情報やアノテーターによる作業コメントなどを用いた。「語りかける」という文体は,エッセイやブログなどのくだけたテキストにのみ出現しやすく,直接的に読み手へ呼びかけや問いかけを行うなどの表現を有すると考えられてきた。しかし,書籍においては,いわゆるハウツー本をはじめとするような教示的な態度を示すテキストに出現しやすい傾向があり,必ずしも直感的に「語りかける」ととらえられる表現が多く含まれるばかりではないことがわかった。本稿は,テキストが「語りかける」と読み手が判断した際に,文脈に依存した表現や,テキストに向かう読み手の前提的態度などが影響していたことを示す。