著者
竹中 理香
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.129-145, 2015

本研究では,戦後日本の在日コリアンに対する権利保障の経緯と内容,それに対する在日コリアンの社会運動を,「権利」と「参加」の側面から分析し,在日コリアン高齢者の現代的問題の背景を,戦後日本における在日コリアンに対する権利保障と社会運動との関係から明らかにした. 分析の結果,戦後日本における在日コリアンに対する権利保障と社会運動の変遷は,戦後から1965年までの第1期,1960年代後半から1970年代までの第2期,1980年代から1990年代前半までの第3期,1990年代前半から現在までの第4期に区分することができた.また,戦後日本における在日コリアンに対する権利保障と社会運動の変遷は,「本国志向」の自衛的な運動から,運動の担い手の世代交代と権利獲得運動へと変遷してきた.さらに,1990年代以降は,1世の高齢化にともなって,戦後補償や無年金問題が浮上した.2000年以降は,在日コリアン高齢者の福祉サービスからの排除問題が,2世たちによって発見されたことが明らかになった.