著者
竹久 洋子 前田 環 中田 裕二
出版者
藍野大学
雑誌
藍野学院紀要 (ISSN:09186263)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.17-22, 2007

一般的な医療現場における有効な手洗い方法を明らかにするために,看護学生を対象とした示指細菌数の測定と手洗い効果判定を行った。手洗いの方法は,通常石鹸,0.1%塩化ベンザルコニウム液,通常石鹸+0.1%塩化ベンザルコニウム液,70%エタノール,ウエルパス,市販薬用石鹸の6通りを比較した。手洗い前後の菌数の比較では,0.1%塩化ベンザルコニウム液,通常石鹸+0.1%塩化ベンザルコニウム液,70%エタノール,ウエルパスについてはそれぞれ手洗いの後に有意に細菌数が減少していたが,通常石鹸・市販薬用石鹸では有意な減少が見られなかった。また,示指に存在する抗生物質(アンピシリン,カナマイシン)耐性菌の構成率を測定し,耐性菌の存在が確認された。以上より,各段階における結果を踏まえた上でより有効な手洗い方法を確立していくことが重要と考える。