著者
竹元 惠子
出版者
日本教師学学会
雑誌
教師学研究 (ISSN:13497391)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.47-57, 2012

本研究では看護系大学に所属する大学教員歴5年未満の看護学教員のロールモデル行動の特徴と特徴に影響を及ぼす要因について検討した。具体的には舟島らが開発した「看護学教員ロールモデル行動自己評価尺度」を用いて、全国の看護系大学の講師、助教、助手を対象として調査を行った。その結果【学生を尊重し、誠実に対応する行動】の下位尺度得点が最も高く、下位尺度項目の<優しさと厳しさをバランスよく保つ>と<看護現象を理解するために理論を活用している>が改善課題として見出された。さらに、職位別では助手に、より多くの改善課題が見出された。また、ロールモデル行動に影響すると思われる要因では、(1)所属大学の教育課程、(2)最終学歴、(3)職位、(4)大学教員歴、(5)科学研究費・助成金受給の有無、(6)看護関係の学会所属の有無、(7)大学教員の主たる役割に関するやりがい感、(8)キャリア意識等が見出された。