著者
竹内 常道
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

1)SHK-1ヘアレスマウスに3x10^5PFUの単純ヘルペスウイルス1型を初感染させた.2)以下の2群を用意し,初感染4週後に紅斑量以下のUVB,100J/m^2,200J/m^2,400J/m^2,800J/m^2,1600J/m^2をそれぞれ2匹ずつ照射した.(1)全身照射群:初感染部位をアルミ箔で覆い,全身に紫外線照射を受けた群.(2)局所照射群:初感染部位以外をアルミ箔で覆い,初感染部位のみに照射を受けた群.3)照射後は,全身照射群では100J/m^2と200J/m^2では皮疹の誘発は無く400J/m^2,800J/m^2,1600J/m^2では2匹とも小水疱が認められた.一方,局所照射群では400J/m^2以下では皮疹の誘発は無く,800J/m^2で1匹,1600J/m^2では2匹とも小水疱が認められた.4)皮疹が誘発されなかった群における,皮膚へのウイルスの排泄を免疫組織学的に検討した.全身照射群では100J/m^2ではウイルスは認められなかったが,200J/m^2では皮疹の誘発はなかったにもかかわらずウイルスの排泄が1匹でみられた.一方局所照射群では,皮疹の誘発がなかった400J/m^2以下ではウイルスの排泄も認められなかった.5)免疫組織学的にウイルスを認めなかった群において,更にPCR法を用いて検討した.HSV-1の1930-2191のpol geneをプライマーとして初感染部位周辺の皮膚をPCRにかけたところ,全身照射群のでは100J/m^2で,また局所照射群では100J/m^2と400J/m^2で各々1匹ずつウイルスの存在を確認した.