著者
中原 崇文 竹内 繁千代 山中 敏彦 谷口 博 小島 晋 工藤 一彦
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.52, pp.p49-57, 1993-06
被引用文献数
3

我々は,地下鉄廃熱を利用したヒートポンプによる道路融雪設備を開発し,札幌市の協力を得て1987年12月より実証試験を行いその有効性を確かめることができた.本装置では,地下鉄の運転していない深夜は廃熱回収を行っていないが,地中の温度実測データを詳細に検討してみると,冬期の深夜の地下構造物は放熱可能な状態にあり,夜間のうちに熱回収可能と推定できた.実測値ベースで推算すると,気温の低い時間帯では2〜3℃レベルの温度上昇が期待でき,ヒートポンプシステムの能力増大・効率向上に役立つ結論を得た.