著者
竹市 峻
出版者
浜松医科大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

自閉スペクトラム症(ASD)は、抑うつ・不安症状を併発することが多いが、成人ASDの抑うつ・不安に対して有用な認知行動療法(CBT)は確立されていない。近年、ASDの認知特性とうつ病に特徴的とされる反芻思考との関連が脳画像研究で示されており、うつ病への有効性が確立された反芻思考に焦点づけた認知行動療法(Rumination-focused CBT)はASDに併存する抑うつ・不安症状にも有効性が期待される。本研究では、成人ASDの抑うつ・不安症状に対するRfCBTの治療効果を検討し、ASDの抑うつ・不安症状発現とその回復の脳内メカニズムを検討することで、ASD当事者に適したCBTの確立を目指す。