著者
岩沢 太司 小原 徹哉 田内 亮吏 瀧村 浩介 細川 佑太 竹市 陽介
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.1206-1211, 2022-11-20 (Released:2022-11-20)
参考文献数
4

思春期特発性側弯症(AIS)後方矯正固定術後に,大動脈に近接する椎体がどのように変化をきたしているかの検討を行った.2015年1月から2016年12月までにAISに対して当院で後方矯正固定術を施行した120例中,術前,術直後および術後2年目に骨癒合評価目的にCTを撮像されていた42例を調査した.平均年齢15.5歳(男性2例,女性40例),主カーブ平均Cobb角50.4°であった.手術直後は椎体変形を認めなかったが,手術2年後のCT水平断像で椎体前面に2 mm以上の陥凹を認めた症例を変形ありと定義した結果,変形を認めた症例は20例(47.6%,全例女性)であった.Lenkeタイプ5と6に関しては,全例椎体に変形を認めた.椎体変形有り群と無し群において,各種レントゲンパラメーターを比較すると,術前TLKが前弯傾向であり,術後TLKは有意に前弯を認めていた.AIS術後の椎体,特に胸腰椎移行部の椎体前面は大動脈に近接しているために,経時的に椎体が陥凹変形をきたす可能性がある.そのため,経過観察中に左側ペディクルスクリューの先端が結果的に突出する形となり,大動脈に接触する危険性があり,その長さや位置に注意を要する.