著者
蟹江 匡 星野 賢二 竹本 康史
出版者
岐阜医療科学大学
雑誌
岐阜医療技術短期大学紀要 (ISSN:09120513)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.25-29, 1996-12-30

気温16℃, 湿度87%, 風力1m, 天候雨というさほど高温ではないが, きわめて多湿の条件下に, 体熱の放散が妨げられて発症した熱中症の1例について報告した。本症例は22歳の男性, 自衛官で, 体力向上運動中に熱痙攣を来し, 次いで体力向上運動の最終種目である5km走を行い, 数回の転倒を繰り返して完走後に意識消失し, 熱射病に移行したものと考えられる。入院時の検査成績から脱水症状, 横紋筋融解(rbabdomyolysis)による高ミオグロビン血症, 肝機能障害および腎障害が認められた。