著者
竹沢 攻一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.202-205, 1977

将棋倒しは大変イメージがはっきりした現象であり,固体中の協力現象の視覚的モデルに利用できる可能性がある.ところが将棋倒しは加速度的に速さを増して倒れていくのか,一定の速さで倒れるのかという点についてさえ明確な測定はなされていない.そこで,この点にかぎって観測した結果を報告する.簡単のために一直線上に同じ大きさの駒が並んでいる系の1駒モデルについて述べる.現象論的パラメーターである衝突係数が1より大きいときは加速度的に,1より小さいときは終速度に達することが示される.また実際に駒が倒れる様子を連続写真撮影で観察した.その結果,消しゴムの駒の場合には初めの2〜3駒で終速度に達することがわかった.