著者
天羽 優子 菊池 誠 田崎 晴明
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.342-346, 2011-05-05 (Released:2019-10-22)
参考文献数
4

「『ありがとう』などの『よい言葉』を見せたり『美しい音楽』を聴かせたりした水は凍らせたとき美しい結晶を作るが,『ばかやろう』などの『悪い言葉』を見せた水は凍らせても結晶を作れない」というのが「水からの伝言」という物語である.この単なるファンタジー(ないしはオカルト)が,時に「科学的」とさえみなされ,学校教育の現場にまで浸透している.ここでは,予備知識のない読者を想定し,「水からの伝言」をめぐる状況を紹介し,関連する問題点や論点を簡潔に整理したい.
著者
天羽 優子 菊池 誠 田崎 晴明
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.342-346, 2011
参考文献数
4

「『ありがとう』などの『よい言葉』を見せたり『美しい音楽』を聴かせたりした水は凍らせたとき美しい結晶を作るが,『ばかやろう』などの『悪い言葉』を見せた水は凍らせても結晶を作れない」というのが「水からの伝言」という物語である.この単なるファンタジー(ないしはオカルト)が,時に「科学的」とさえみなされ,学校教育の現場にまで浸透している.ここでは,予備知識のない読者を想定し,「水からの伝言」をめぐる状況を紹介し,関連する問題点や論点を簡潔に整理したい.
著者
菊池 誠
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.824-825, 1993-10-05
著者
菊池 誠
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.874-881, 2013-03-01 (Released:2013-03-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

科学基礎論学会はわが国の指導的な科学者や哲学者によって1954年に設立された数学や心理学,工学を含む広い意味での科学の基礎や哲学について論じる学会であり,1954年から和文誌を,1956年から欧文誌を刊行している。本稿ではまず科学基礎論学会の欧文誌刊行の現状を例に,わが国において人文社会系の研究分野で欧文誌を刊行することの意義と難しさについて論じる。次に,学術誌の標準的な評価基準となっている被引用数と採択率を改善するための方法を紹介し,このような数値的指標によって学術誌を評価することの問題点について論じる。最後に,学術誌と学会の役割の多様性と,それらの協力の重要性について論じる。
著者
菊池 誠
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.360-364, 2022 (Released:2023-01-25)
参考文献数
9

生命は進化の過程で機能に加えて変異に対する頑健性を獲得した.この過程を数理モデルで理解するために,進化シミュレーションと比較する対照群をマルチカノニカル法で構築する手法を提案する.遺伝子制御ネットワークで計算を行い,進化が頑健性を増強させることと進化では双安定性の出現が遅れることを定量的に示した.
著者
菊池 誠
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:09172270)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.104-108, 2002-06-15
被引用文献数
6

As an introduction to the special topics section of traffic flow problem, a brief history of mathematical researches in this area is described. Some basic concepts, such as a q-k diagram, are introduced at the same time.
著者
菊池 誠 倉橋 太志
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.75-80, 2011-05-15 (Released:2017-08-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1

We describe three short stories around Gödel's incompleteness theorems. Firstly, we show that the second incompleteness theorem is derivable by formalizing Yablo's paradox. Then, we prove a version of the incompleteness theorem which is not formalizable. Finally, we discuss the theorems of arithmetic in nonstandard models of arithmetic and the definability of truth in models of arithmetic within other models.
著者
只木 進一 菊池 誠 杉山 雄規 湯川 諭
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.166-171, 2000-03-05
被引用文献数
4

自動車の流れ,特に交通渋滞は,私たちが日常的に経験する現象であり,その原因の理解と対策は今日の大きな社会的問題の一つです.交通流の理解及びその制御の研究は,1950年代からこれまで交通工学の分野で続けられてきました.近年,物理モデルによる統一的な交通流現象の理解への研究が始まっています.本稿では,高速道路上の交通流に対する追従モデルとセルオートマトンモデルを中心に,物理的モデル化を通した交通流研究の動向を示したいと思います.
著者
肥後 順一 高野 光則 菊池 誠
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

天然変性蛋白質の「折れたたみとカップルした結合」の機構を、計算機実験によって解明した。計算対象(天然変性蛋白質とパートナー分子、およびそれを取り囲む多数の溶媒分子)を全原子モデルで表現し、効率的構造探索法であるマルチカノニカル分子動力学を行った。それにより、折れたたみとカップルした結合過程の詳細な自由エネルギー地形を可視化した。実験的に決定された複合体構造以外にも、短い寿命の多様な複合体構造の存在を示した。得られた自由エネルギー地形をより大きな観点から理解するために、粗視化モデルでのサンプリングを行った。複数の準安定な複合体の間の構造遷移を、競合性と協調性の概念から表現した。
著者
菊池 誠
出版者
早川書房
雑誌
SFマガジン
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.102-104, 2001-12
著者
菊池 誠
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

今年度の研究成果は以下の3点である。(1)ファネル気体モデルの理論的整備を進めた。タンパク質の体積を変数とする自由エネルギーランドスケープが与えられれば、分配関数に含まれる分子混雑の効果は解析的に計算できてしまい、自由エネルギーランドスケープへの補正の形に厳密にまとめられる。補正項は各状態の体積に比例しており、比例係数は混雑分子の化学ポテンシャルで決まる。これにより、混雑分子を含む系は混雑分子を含まない系に形式的に書き直すことができることがわかり、見通しよく計算機シミュレーションを行うことができる。(2)上記の「有効自由エネルギーランドスケーブ」の考え方をモデルタンパク質に応用した。具体的にはアップダウン・ベータバレルと4ヘリックス・バンドル構造を取るふたつの格子タンパク質モデルを対象とし、MSOE法によって混雑分子がない場合の自由エネルギーランドスケーブを求めた。これに上記の体積依存補正を加えることにより、混雑分子存在下での「有効自由エネルギーランドスケーブ」を求めた。結果として、混雑分子の濃度が上がるにつれて変性状態のうちで体積が大きな構造の自由エネルギーが上がり、実効的に天然構造が安定化されることがわかった。我々はこの結果を分子混雑がタンパク質折れたたみに与える影響の最も簡単な表現であると考えている。(3)ファネル気体モデルの基礎となるタンパク質のファネル理論に関して、ランダムネットワーク上でのランダムエネルギーモデルを構築し、多様なファネル構造を実現する天然構造の特徴を議論した。なお、これら成果をConference on Conputational PhysicsおよびBiophysical Society Meetingにて口頭発表し、関連する研究者と議論を行った。
著者
菊池 誠
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.458-463, 2013-11-01

研究者にとって学術情報流通は研究成果の評価および研究活動の推進という観点から重要な役割を持つ。かつて,我が国の研究者には欧米の中心地から遠く離れて情報から孤立することによって様々な不利益を受けていたが,情報通信技術の発達と国際的な人的交流の活発化は,この学術情報流通の状況と我が国の研究環境を大きく変えている。しかし同時にその変化は学問の過度の均質化や競争,そして専門分野の孤立といった問題を生じさせる危険もある。本稿では数学と哲学における研究者にとっての学術情報流通の現状とその変革の可能性について論じる。
著者
菊池 誠一
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.767, pp.66-77, 2004-09-01