著者
竹野谷 みゆき
出版者
札幌学院大学人文学会
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 (ISSN:09163166)
巻号頁・発行日
no.72, pp.17-29, 2002-12

本研究は、職場の会話を権力関係(パワー)に焦点をあて、パワーが談話にどのようにあらわれているかを分析した。テレビで放映されたドキュメンタリー番組をデータとして取り上げ、特に、教育係の先輩アナウンサーが新人アナウンサーにテレビ・レポートの仕方を指導するシーンに注目した。分析の結果、Fairclough(1989)がクリティカル・ディスコース分析の枠組の中で指摘しているように、パワーがある話者のない話者の発言に対する「さえぎり」、「訂正」、「評価」という行為において、そのパワーが行使されている様子が示された。また、日本語談話にあらわれる終助詞の「よ」と「ね」のパワーを表す道具としての役割に注目し、その特徴を吟味した。