- 著者
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笠 一生
- 出版者
- 福岡県教育庁北筑後教育事務所
- 雑誌
- 奨励研究
- 巻号頁・発行日
- 2007
筆者は、数学における対話の典型を数学の発展の過程の様相(Imre Lakatos 1980)の根源にあるヘーゲルの発見の論理学(テーゼ→アンチテーゼ→ジンテーゼ)である弁証法(礒田,1999)に学び、「ずれ」に始まる対話型問題解決の指導モデルと典型的な指導事例開発を行った(笠,2005)。「ずれ」を促す発問は発展的に数学を使う契機であり、対話を促す契機である。その「ずれ」を問題解決の指導に位置づけることで、生徒自ら表現し、数学を対話的に再構成しようとする姿勢が育つことも検証した(笠,2006)。他方で、ともすれば個人研究は、特定の学校の特定の先生であればできる職人技とみなされがちである。本研究では、それを誰もが取り組める事例づくりのマニュアルとして、実践研究者の立場から共同開発研究に取り組み、次のような成果をあげるに至った。研究実績1:事例の共同開発〔数学教育2007/4〜2008/3(連載「対話型問題解決の授業づくり」)〕〔数学教育2008/3(特集「対話を生かした発展的な問題解決授業」)〕研究実績2:対話を生かした発展的な問題解決授業づくりのポイント→『4つの学び直し』の場の設定(1)『既知の確認による学び直し』の場では、本時の学習内容につながる既知の知識の確認を行う。(2)『他と比較して自己の考えを知る学び直し』の場では、既知を活用した着想に疑問を持つ子どもへの発問を重視する。(3)『新しい立場をつくる学び直し』の場では、子どもが自らの思考過程や推論の根拠・意図を表現しえる発問を重視する。(4)『新しい理解を深める学び直し』の場では、学んだことを使う場を設定する。〔思考・判断・表現による『学び直し』を求める数学の授業改善〕出版予定