著者
笠原 剛敏
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.550-553, 2000-03-22 (Released:2014-11-12)
参考文献数
3

1. 喘息の呼吸リハビリテーションを見ると, 本邦では未だ普及が遅れ, 標準的なプログラムの確立はされていない. しかし小児喘息における運動療法は治療の一貫として位置づけられ, 運動嫌いによる運動・体力低下を防ぐのに有益とされている. 今回, 小児および成人喘息で見られる呼吸障害・喘息発作に対処するため, 家庭でできるリハビリテーションについて報告する. 2. 家庭でできるリハビリテーションとして, 腹式呼吸は呼吸効率の改善を目的に, 排痰法は痰の累積を防ぐことを目的に, そして柔軟体操は呼吸運動に必要な柔軟性を目的に行い, それぞれの指導内容, 注意点を紹介する. 3. 喘息の呼吸リハビリテーションの重要なポイントは患者の自己管理能力の向上である. そのため患者および援助者が具体的な対処・援助法を理解し, 呼吸困難時・パニック時に対処可能な状態か, いなかを判断できる能力が必要となる.