- 著者
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小比賀 聡
笠原 勇矢
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬理学会
- 雑誌
- 日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
- 巻号頁・発行日
- vol.148, no.2, pp.100-104, 2016 (Released:2016-08-01)
- 参考文献数
- 21
核酸医薬は現在新たな創薬手法として注目を集めている.特に,標的遺伝子のmRNAに相補的な配列をもつオリゴヌクレオチドを用いて,その遺伝子の発現を抑制するアンチセンス法の研究開発は広く進められており,現在では数多くの医薬候補が臨床試験に進んでいる.アンチセンス核酸の特徴の一つには,標的遺伝子の配列情報があれば誰しも容易に設計できるという点があげられるが,その有効性を最大限に引き出すためには配列のデザインが非常に重要である.しかし,これまでのところ明確なデザイン戦略は知られておらず,試行錯誤に頼るところが大きい.本稿では,これまでの知見や我々独自の経験から,アンチセンス核酸の配列デザインの基本的な考え方や留意すべきポイントをまとめた.