著者
笠原 正典
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.135-138, 1994 (Released:2017-03-31)
参考文献数
19

Bourletらによって最初の非哺乳類MHC遺伝子(ニワトリのクラスIIβ鎖遺伝子)がクローニングされた後,爬虫類,両生類,硬骨魚類,軟骨魚類から続々とMHC遺伝子が分離され,現在では最も原始的な脊椎動物である無顎類(ヤツメウナギ,メクラウナギ)を除くすべての脊椎動物綱からMHC遺伝子が分離されている. 本稿では,ヒトから軟骨魚類に及ぶ多様な生物種のMHC遺伝子を解析することにより明らかとなったMHC遺伝子(分子)の進化の特徴について述べてみたい.