著者
本多 容子 笹谷 真由美 田丸 朋子 岩佐 美香 米澤 知恵 河原 史倫
出版者
藍野大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、認知症の高齢者のための新たな転倒予防策として、病棟の色彩環境に着目した。認知症高齢者の入院環境の、手すりやベッド柵に鮮やかな着色を施すことで、転倒率や転倒状況が変化するかを調査し、色彩を用いた転倒予防策の実用化への示唆を得ることを目的としている。研究は、基礎研究の研究Ⅰと、実際の病院での介入調査を行う研究Ⅱより構成される。【研究Ⅰ/追加実験】目的:ベッド柵や手すりに鮮やかな着色を施した前後の視線や動作の変化を明らかにする。今年度研究実績の概要:昨年度実施した結果をうけ、研究Ⅱでの介入に向けて、静止時の視線データも必要であると考え、急遽追加実験を行った。①被験者は、健康な女性高齢者10名であった。②通常の模擬病室(コントロール群)と、ベッド柵に鮮やかな着色を施した模擬病室(着色群)の、被検者の視線ついて同一被験者内比較を行った。③測定項目は、視線軌跡と注視時間である。測定にはトークアイライト(竹井機器工業)を用いた。なお、結果は現在解析中である。【研究Ⅱ】目的:認知症治療病棟の手すりやベッド柵に鮮やかな色彩を着色し、着色前後で転倒率や転倒状況が変化するか否かを検証する。今年度研究実績の概要:コントロール期間を開始した。協力病院との調整により、転倒数、転倒状況については、病院で従来使用している転倒報告書を活用することとなった。また当初予定より、介入病棟が増えて最終的に4病棟となる予定である。