著者
篠田 功 本郷 健 本村 猛能
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.17-36, 1998

情報リテラシーとメディア・リテラシーは, もともと「読み書き能力」の意味する"Literacy"から生まれた。このリテラシーは, すべての人が身につけるべき基礎的能力という意味を持つようになって, 「読み書き」に算が加わり, 3R'sとなった。それらはさらに, 生活や職業に関わる基礎的能力として発展し, 高次の認知的能力にまで拡大する。情報リテラシーやメディア・リテラシーはその延長上にある能力で, 今世紀の終わりになってもたらされた情報爆発ともいうべき社会の実状を反映するものである。情報リテラシーとメディア・リテラシーは, 情報とメディアに対応するものであり, 情報やメディアに関する理解・操作・判断・選択・表現などの能力や, さらに情報の探索・評価などの能力までも含むと見られる。しかし, 現状では, それらの総合的検討は必ずしも十分でないようであり, これからの課題と考えられる。またもう一つは, 発達段階や教育内容に応じて, 特定のリテラシーを焦点化したカリキュラム開発であり, その検討を課題としたい。