著者
南部 拓央 村上 隆亮 松田 優樹 松尾 浩司 米光 新 武呂 誠司 隠岐 尚吾
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.153-161, 2014-03-30 (Released:2014-04-08)
参考文献数
25

Glucagon-like peptide-1受容体作動薬「リラグルチド」で加療した100名の2型糖尿病患者を対象として,長期効果及び使用に適した患者像を検討した.1年間でHbA1c値は8.4±0.2 %から7.4±0.1 %,体重は71.8±1.8 kgから68.1±1.7 kgと改善した.観察期間終了時のHbA1c値が7 %未満の患者(Group A)は,7 %以上の患者(Group B)に比べて治療開始時のHbA1c値,糖尿病性腎症合併率,前治療でのインスリン抵抗性改善薬使用率が高かった.またGroup Aは体重が減少し続けたがGroup Bは体重が一過性に増加した.以上よりリラグルチドによる血糖値及び体重改善効果は1年間持続するが,治療開始時のHbA1c値,細小血管症の合併状況,前治療薬,体重減少の経過により規定されている可能性が考えられた.