著者
立松 和憲 米川 英雄
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.B_65-B_74, 2019-02-01 (Released:2019-02-06)
参考文献数
11

都市間高速道路の交通集中渋滞において、渋滞先頭地点が移動することは、従前から指摘されている。 しかしながら、このような渋滞遷移現象についての研究事例は少ない。そこで、本論では、東名阪自動車道(上)鈴鹿 IC~四日市 IC の約 10km を対象に、渋滞先頭地点の遷移と交通容量の関係を、交通容量への影響要因を踏まえて分析した。ETC2.0 プローブ情報の走行履歴データにより、渋滞先頭地点の遷移現象の分析を行い 118 回の遷移を確認した。これらの遷移に対し、交通容量への影響要因のカテゴリー毎に渋滞先頭地点の遷移発生状況を整理し、交通容量との比較を行った。この結果、交通容量の大小関係のみでは説明のできない遷移を確認し、渋滞先頭地点の遷移は、交通容量とは異なるメカニズムで発生していると推察された。