- 著者
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米津 光浩
中西 正和
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.52, pp.9-10, 1996-03-06
化学反応にヒントを得て計算モデルを構築しようという試みはいくつかある。ブロダクションシステムの自己組織化を化学反応に見立てた金田の化学的キャスティングモデル(CCM)、並行計算の理論的記述に化学反応メタファを生かしたBerry、Boudolの化学抽象機械CHAM(CHemical Abstract Machine)などであり、またペトリネットとの対応も古くから指摘されている。我々は特に創発計算を目指した化学反応のモデル化を試みてきている。 本稿では、最も基本的な抽象化学系と、その拡張である負触媒を持つ系について述べる。抽象化学系では特にセルオートマトンが記述可能であることを指摘し、負触媒を持つ系では特に抑止アークつきペトリネットとの等価性と計算万能性を指摘する。