著者
米澤 美希 吉田 雄一 滝川 康裕
出版者
Iwate Medical Association
雑誌
岩手医学雑誌 (ISSN:00213284)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.59-67, 2020 (Released:2020-09-09)
参考文献数
22

B型肝炎ウイルス持続感染者における肝発癌の早期診断・発癌予測は困難である.そこで,マイクロアレイを用い,B型肝炎関連肝癌の早期診断に有用なバイオマーカーの候補となる末梢血中のmicroRNAを探索した.B型肝炎のため通院中に肝発癌を来した患者10人(発癌群)の肝発癌時の血清とマッチングさせた非発癌患者10人(対照群)の血清からmicroRNAを抽出し,2群間で有意な差異を認めた5種類のmicroRNA(miR-548aおよびmiR-1281, miR-4634,miR-4646-3p,miR-4659a)を早期診断のバイオマーカー候補として見出した.