著者
高畠 啓 小曽根 海知 髙橋 花奈 米野 萌恵 国分 貴徳
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.51-56, 2021 (Released:2021-04-09)
参考文献数
16

【目的】Enthesisとは靭帯や腱が骨に付着する部位を指し,Osgood-Schlatter病など同部に生じる傷害“Enthesopathy”は,近年,遠心性収縮が発症に関与している可能性が示唆されている。そこで,本研究では筋収縮形態の違いがマウスのEnthesis構造に及ぼす影響を調査した。【方法】ICR系白色雄性マウス(3週齢)を非運動介入群,平地走行群,下り坂走行群に分類し,2週間の運動介入後,染色像から棘上筋断面積及び棘上筋Enthesisの組織学的分析を行った。【結果】遠心性収縮が惹起される下り坂走行群において筋断面積は有意に拡大し(p<0.05),Enthesisの線維軟骨層に対する非石灰化線維軟骨層の割合は拡大傾向にあった。【結論】Enthesopathy発症には,筋収縮形態の違いによる負荷量の違いが影響し,Enthesis4層構造の変化に関与している可能性を示唆した。