著者
高﨑 宏寿 黒須 啓如 佐久間 光 澤登 悠 粕川 峻比古 佐藤 将
雑誌
玉川大学農学部研究教育紀要 (ISSN:24322164)
巻号頁・発行日
no.1, pp.43-51, 2016-09-01

多摩丘陵の一角に位置する玉川学園構内は緑が多く里山としての機能も有している。この様な環境の中で数種の哺乳動物の目撃が報告されているがその実態は明らかにされていない。本調査は赤外線自動カメラを使用し、それらの哺乳動物の出現様式を調査した。その結果、生息している主な哺乳動物はホンドタヌキ・ハクビシン・アライグマおよびノラネコであった。ホンドタヌキは調査期間中毎月出現し、ハクビシン・アライグマは8月から11月にかけて出現した。ホンドタヌキの出現時間帯は夜間が最も多いが、人の出入りの少ない個所では日中でも確認された。ハクビシン・アライグマは夜間のみ確認されたが、ホンドタヌキがみせた2回の出現ピークとはズレがあった。 これらのことから、学園内の野生哺乳動物の3種は日中、人間とは極力出会わないように活動し、また、3種間においてもあまり接触しないように行動することで人間も含め互いに共存を図りながら生息していることが明らかになった。