著者
粟村誉 荒牧英治 河原大輔 柴田知秀 黒橋禎夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-8, 2014-06-26

近年,膨大な量の文書が Web 上に溢れるようになるにつれ,それらから有用な情報を抽出する技術が重要になってきた.特に,Twitter などのソーシャルネットワークサービス (SNS) は地域固有の情報を含むことが多いため,文書内の地名表現がどこの地名,地域を指しているかを同定することが必要となる.これまで,このような地名曖昧性解消の問題は,語義曖昧性解消の手法を利用して,語彙情報に基づいて解かれることが多く,地名特有の手がかりが使われていない.本研究では,(1) 空間的近接性と (2) 時間的一貫性の 2 つの手がかりを用いて,地名曖昧性解消の精度向上を目指す.空間的近接性は,投稿内の地名同士は距離が近いことが多いという傾向,時間的一貫性は,一連の投稿に現れる地名はそれぞれ関連性があるという傾向をとらえるために導入する.位置情報付きツイートを用いた実験によって,2つの手がかりの有効性を確認した.